SNS上で『辰年は地震が多い』との投稿が複数あり、話題になっています。
噂は本当か、気象庁や国立国会図書館が公開しているデータをもとに検証してみました。
過去に起こった被害の大きかった地震を干支ごとに分けて表にまとめてました。
・過去に156年の間に起こった大きな地震情報
・過去で地震が一番多かった干支、少なかった干支
『辰年は地震が多い』SNS上の投稿内容
故祖母(大正生まれ)が昔、辰年は地震が多い年で価値感が変わる生まれ変わる年だと言っていました。震えるに辰が入っているからだそうですが。当時はふーんと聞き流していましたが今日それを思い出し少し考えさせられました。
— 専念寺/ネコ坊主 (@yabumoto610) January 3, 2024
辰年は危険かもしれない。
— たっくん (@1212_takkun) January 1, 2024
2000年 鳥取西部地震
2012年 三陸沖地震
2024年 (北陸)地震
2036年はどうなるのか pic.twitter.com/LZ5hVZFZAS
私、気付いちゃったんだけど今回の地震って、1989年の地震に似てないですか?😨
— 田口小百合 (@RWgqs6) January 1, 2024
同じ辰年だし…?🤔
そしたら、今度は伊豆??はっ、👀‼️
そのままだとヤバい😥
来年は十二支の辰年です
— 暮れの酉 (@kazu_kazoeyo) December 29, 2023
辰は雨冠をつければ地震の「震」
扌をつければ三振の「振」
下に寸で屈辱の「辱」
など。いろいろな漢字に
字だけ見ると、地震が多いのかな?なんて思いますが、十二支では自然現象は占えません💡
自然界はピッタリ12年周期で測れるほど単純じゃないみたいです
2023.12.09アップの記事です。
— Love Me Do(ラブ温子) (@lovemedo_uranai) January 1, 2024
2024年辰年は、
地震や噴火に注意の年です。
2024年1月1〜2日と8〜13日は
地震と噴火に注意。
ここには海底火山も含まれます。
新たなスタートを切る月!
船舶の事故にも注意
Love Me Do の「ミラクル大予言」
2023年12月 https://t.co/axM3szjcIZ
2024年1月1日能登半島で大きな地震がありました。
2024年の年が明けて早々の出来事だったこともあり、2024年の干支である『辰年』と地震との関連性について投稿している方が複数いらっしゃいました。
中には地震が起きる前から辰年と地震とを結び付けて注意喚起しているような投稿までありました。
本当に辰年は地震が多い年なのでしょうか?
投稿を見て不安に思う方も多いと思います。
過去の地震情報から辰年が特別に地震が多い年だったのかを調べてみました。
過去24年(2000~2023年)に起こった地震情報
干支ごとの地震回数は?
こちらは気象庁が公開している『日本付近で発生した人的被害を伴う地震情報』をもとに干支別に地震回数をカウントしてまとめたものです。
データは過去24年(2000~2023年)のものです。
※この記事を作成している現時点(2024年1月)では2024年のデータが不十分なため2024年は除外しました。
発生年と地震回数 | 合計 | |
子年[ねずみ] | 2020年5回、2008年6回 | 11回 |
丑年[うし] | 2021年6回、2009年2回 | 8回 |
寅年[とら] | 2022年4回、2010年4回 | 8回 |
卯年[うさぎ] | 2023年3回、2011年16回 | 19回 |
辰年[たつ] | 2012年7回、2000年9回 | 16回 |
巳年[へび] | 2013年7回、2001年5回 | 12回 |
午年[うま] | 2014年7回、2002年6回 | 13回 |
未年[ひつじ] | 2015年5回、2003年7回 | 12回 |
申年[さる] | 2016年7回、2004年9回 | 16回 |
酉年[とり] | 2017年4回、2005年19回 | 23回 |
戌年[いぬ] | 2018年3回、2006年4回 | 7回 |
亥年[いのしし] | 2019年6回、2007年7回 | 13回 |
一番地震が多い干支は辰年?
一番地震回数が多い干支は辰年ではなく、酉年[とり]の23回、次が卯年[うさぎ]の19回。
逆に一番地震が少ない干支は戌年[いぬ]の7回でした。
話題になっている辰年[たつ]は申年[さる]と並んで3番目に多い16回でした。
過去24年のデータだけで見ると、たしかに辰年は干支の中では比較的地震が多い年でした。
しかしこのデータは各干支で2年ずつしかないので、これだけで『辰年は地震が多いor少ない』と判断するには情報が少ないかと思います。
気象庁が公開しているデータではここまでしか調べられなかったので、データを変えてもう少し過去に遡って調査してみることにしました。
過去156年(1868~2023年)の干支ごとの地震回数
干支ごとに表でまとめたもの
こちらは国立国会図書館 が公開している『地震年表(明治期以降:1868~)』をもとに干支別に地震回数をカウントしてまとめたものです。
データは死者・行方不明者がとくに多かった地震のみとなります。
※上記同様、この記事を作成している現時点(2024年1月)では2024年のデータが不十分なため2024年は除外しました。
地震名と発生年 | 合計 | |
子年[ねずみ] | 岩手・宮城内陸地震(2008)、福井地震(1948) | 2回 |
丑年[うし] | 0回 | |
寅年[とら] | 北但馬地震(1925) | 1回 |
卯年[うさぎ] | 長野県北部地震(2011)、東北地方太平洋沖地震(2011)、丹後地震(1927) 、 濃尾地震(1891) | 4回 |
辰年[たつ] | 鳥取県西部地震(2000)、新潟地震(1964) | 2回 |
巳年[へび] | 芸予地震(2001)、松代群発地震(1965) | 2回 |
午年[うま] | 0回 | |
未年[ひつじ] | 十勝沖地震(2003)、鳥取地震(1943) | 2回 |
申年[さる] | 熊本地震(2016)、新潟県中越地震(2004)、十勝沖地震(1968)、 えびの地震(1968)、東南海地震(1944)、陸羽地震(1896)、 明治三陸地震(1896)、浜田地震(1872) | 8回 |
酉年[とり] | 北海道南西沖地震(1993) 、三河地震(1945)、昭和三陸地震(1933) | 3回 |
戌年[いぬ] | 北海道胆振東部地震(2018)、南海道地震(1946) | 2回 |
亥年[いのしし] | 新潟県中越沖地震(2007)、能登半島地震(2007)、阪神・淡路大震災(1995)、 日本海中部地震(1983)、関東大震災(1923) | 5回 |
一番地震が多い干支は辰年ではない?
一番地震回数が多い干支は申年[さる]の8回、次が亥年[いのしし]の5回。
逆に一番地震が少ない干支は丑年[うし]、午年[うま]の0回。
話題になっている辰年[たつ]は子年[ねずみ]、巳年[へび]、未年[ひつじ]、戌年[いぬ]と並んで5番目に多い2回でした。
特別に辰年に大きな地震が多いとは言えない結果になりました。
データから分かること(まとめ)
・『直近24年の人的被害を伴う地震』のデータで見ると辰年は『地震回数16回』であり、干支の中では3番目に地震が多い結果となりました。他の干支と比べて辰年は地震回数が多い方ではありますが、そもそものデータが各干支2年ずつと少ないため『地震が多いor少ない』を判断するには不十分なところはあります。
・『過去156年の死者・行方不明者が多かった地震』のデータで見ると、辰年は『地震回数2回』であり、干支の中では5番目に地震が多い結果となりました。5番目に多いと言っても同率順位が多く、辰年が干支の中でとくに地震が多いとは言えない結果となりました。
過去20~30年のデータ上では2024年の能登地震も加えると確かに辰年の地震は目立っているように感じます。
干支の中で一番多いわけではありませんでしたが、SNS上で『辰年は地震が多い』と発信する方が多いのも頷けます。
ただもっと過去に遡ってみると、他の干支と比べて辰年の地震が特に多いわけではないことが分かりました。
さいごに
調査する中で地震が特に多い年、少ない年があることが分かりました。
ただ、地震は自然現象なのでそれを干支と結び付けて『多いor少ない』と判断することは難しいと思いました。
『今年は辰年だから気を付けよう』など干支と結び付けて警戒するよりは『いつ起こってもおかしくない』と考えて日ごろから備えておくことが大切だと改めて感じました。
この記事をきっかけに一度、防災バッグの見直しや避難場所の確認、ハザードマップのチェックなどしてみませんか?
備えておくことでいざと言う時に落ち着いて行動できたり、いつ起こるか分からない災害への不安な気持ちが落ち着くこともあるではないでしょうか。
今回は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。